広告と日常

広告のあれやこれや

【イトーヨーカドー / イオン】スペックよりもまずはイメージ

 

D:え、ランドセル買うんすか。
CD:まあ、いろいろ調べててさ。
D:品質とかにこだわるとキリないですよね。
CD:そうなんだよ。でもいろいろ比べる前の段階こそ大事だと思うよ。
D:どういうことすか。
CD:調べて比べられると、結局は機能とか価格とかの勝負になるわけじゃん。
D:まあ、たしかに。
CD:「このブランドを応援したい」みたいな気持ちで買ってもらうのが理想だけど、なかなかうまくいかない。
D:そもそも比較検討の選択肢に入るのも簡単ではないですしね。
CD:その通り。だからこそブランドや商品に対して、より良いイメージを持ってもらいたい。ていうので、この2つのCMが気になったんだ。

 

youtu.be

 

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D:同じランドセルのCMでも、なんか印象違いますね。
CD:そうそう。僕はダンスの専門家ではないけども、イオンの方がぴょこぴょこしてて子供らしいというか。なんか楽しそうな雰囲気が伝わってきて、いつの間にか「イオンのランドセルって良いかも」て思うんだ。
D:どっちが好きかは人それぞれかもですけどね。
CD:まあね。でもさっきの機能とか価格みたいなとこで2つ同じなら、好きな方を選ぶわけじゃん。だからこそ、好きって思われるイメージが大事なわけよ。
D:あれ、ていうかお子さんいましたっけ。
CD:いやいないけど。
D:ていうか結婚もしてないのにランドセルみて何してんすか。
CD:情報収集さ。
D:それ言えば何でも乗り切れそうですね。

【オリックス / 松井証券】タレントのイメージは大切に

CD:CMにタレント使うのは良いけどさ、そのタレントのイメージを貶めるのは良くないよね。
D:なんすかいきなり。
CD:昔、こういうCMがあってさ。

 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000250.000023075.html


CD:イチローが「オリックスって何の会社かわかりましたか?」と記者たちに質問して、答えられないと「まだまだですね」て言うのよ。
D:はあ。
CD:知らんがな。オリックスが何やってるか、みんながみんな知ってるとは限らないでしょうよ。このCMを観て「あのイチローさんに認められたいから、オリックスのことをちゃんと知ろう!」みたいに思う人はよっぽど少ないと思うけどね。
D:これを機に知ってもらいたいんですかね。
CD:百歩譲ってそういう意図があったとしても、一般視聴者は不快だよね。CMではオリックスをちゃんと知らない記者を諭してるのかもしれないけど、カメラ目線で言われたら視聴者が「まだまだですね」て悪く言われてるみたいじゃない。
D:CMをちゃんと見てない人も引っかかるんじゃないすか。知りませんけど。
CD:ていうかそもそもオリックスイチローていうのも、野球知らない人は知らないだろうしね。このCMで「何様」って思ってイチローがちょっと嫌いになっちゃう人もいるかもしれない。
D:はあ。どうなんですかね。
CD:それと同じようなCMがあってさ。

 

youtu.be

 

CD:「知らなかった〜〜」て。自分が出てるCMの会社のこと知らなさすぎだろ、て思っちゃう。
D:それこそ一般視聴者の目線では共感するんじゃないすか。
CD:まあ「自分も知らなかった」ていうのはあるかもね。でもタレントのイメージが悪くなっちゃうよ。「この人、CM出てる癖に全然勉強してないのね」「仕事に対する姿勢がけしからん」とかさ。本人も本人で「マネージャーさん、教えといてよお」って人のせいにしてる節もあるし、そもそも企業側もCMに出演してもらうタレントにそういう説明してないってどういうこと、みたいな。いろいろダメな感じしちゃうよ。
D:さすがに演技ってわかるんじゃないすか。女優だし。
CD:だからこそだよ。山本美月。美人だよね。だからこそ。
D:どういうことすか。
CD:いわゆる「おバカキャラ」のタレントがやるんだったらまだしも、こんな清楚でちゃんとしてそうな人が適当に仕事してるというか。
D:言われたことを素直にやるっていうイメージなんすかね。
CD:なるほど、それはそれで好きになっちゃうか。「かわいいなあ、このお!」てか。
D:なんか一気にキモくなりましたね。

 

【タケダ薬品 / ベリーベスト法律事務所 / アサヒ飲料】世界に尽くせ、タケダ。 / ベストを超えろ / 世界は変わった。スーパードライも変われ。

CD:なんか命令形のコピーって好きじゃないなあ。

D:割とよく見る気がしますけど。

CD:たとえばこれね。

 

 

CD:「世界に尽くせ、タケダ。」いや、どうぞがんばってください、て思わないかい。

D:勢いとか強い意志を伝えたいんじゃないですか。

CD:だとしてもさ、広告を見るのは一般の人なわけじゃん。全然関係ないよ。そりゃあたしだって世界に尽くせるもんなら尽くしたいですよ、みたいに思う人もいるんじゃないかな。世の中の武田さんたちは特にギョッとしちゃうよね。

D:よくわかんないすけど。

CD:あとこれ。

 

 

CD:「ベストを超えろ」て。いや、ベストを超えるのはあなたたちでしょ!いきなりこっちに言われても!!てなっちゃうよ。

D:「見る人にもいろんな意味でベストを超えてほしい」とかっていうメッセージなんじゃないすか。知らないですけど。

CD:極めつけはこれ。


CD:「世界は変わった。」はあ。そうですね。「スーパードライも変われ。」……いや知らないよ。一般人がどうやってスーパードライを変えるんだっていうのさ。だったら私をアサヒの社員にしてスーパードライの担当にしてみなさいよ!て思っちゃう。

D:なんかめんどくさいっすね。

CD:企業が自分たちを奮起させるためのスローガンとして掲げるなら良いけどさ。それをこっち側に発信してどうするのさ。やめてー、て思っちゃう。

D:なるほど。じゃあ、ちょっと黙っててもらっていいですか。

CD:敬語っぽく言えばいいってもんじゃないからね。

【IBJ】その婚活、ズルい。

 

CD:これはちょっとマズいんでない
D:何がですか
CD:「ズルい」てさあ、ネガティブなイメージになっちゃうよ
D:目を引くじゃないですか
CD:そうだけどさ、言ってみれば「ズルい」方法で男を捕まえましょうみたいなことだよね。結婚相談所としてプラスになるかなあ
D:ちゃんと成婚数No.1ていう実績もアピールしてるから信用できそうな気もしますけど
CD:どうかなあ。と「至れり尽くせりの結婚相談所」てそりゃ、お金払ってる以上は至れり尽くせりの対応を期待してるんだから、わざわざアピールしなくても良いでしょうに
D:それだけ他社が不親切なんじゃないですか
CD:なに、詳しいの。結婚相談所業界
D:ハラスメントですか
CD:ちゃちゃちゃちゃ、違うよ。えーと、話変えるとね、そうそう、そういえば、前のシリーズも「結婚への近道は、ある」ていうメッセージだったんだよ


D:近道、いいじゃないですか
CD:これだと「結婚の近道はないかなー」て思ってる人に「あるよ」て教えてるわけで、なんか切羽詰まった人の弱みにつけ込んでる感じにならないかな
D:実際、そういう人のニーズに応えてるんじゃないすか。知らないすけど
CD:でも基本的に結婚相手には優しさとか誠実さとかを求めてるわけでしょ。だったら結婚相談所としてもそういうクリーンなイメージでブランディングをしてかないと
D:どうですかね
CD:ちがうの!?
D:今の時代、結婚相手なんてそこそこ稼いでそこそこ家事やってくれたら十分なんじゃないすか。愛とか誠実さとかよりも、思ったことをハッキリ言いあえる相性とかの方が大事なんじゃないすか
CD:わからんもんだ
D:はあ
CD:ところで、森香澄っていいよね
D:そういうとこきついっす、マジで
CD:思ったことハッキリ言ってる!
D:別にそういうんじゃないんで